選手の育成やスポーツ科学の研究で実績をもつ指導者たち
福岡大学スポーツ科学部では、トップアスリートの育成やスポーツ科学の研究で優れた実績をもつ指導者たちが多数在籍しています。そんな指導陣の中から5名ご紹介します。
世界と日本のトップレベルのコーチング法や育成システムを追求
高校時代までは無名であった遅咲きの原石を丁寧に発掘し、その潜在能力をじっくりと引き出し、大きく開花させる指導力、コーチング哲学には定評があります。
世界と日本のトップレベルのコーチング法や育成システムの研究、開発、年齢に応じた一貫指導プログラムの構築がテーマです。
人を育て、伸ばし、生かすにおける極意はあるのか?ビジネス界の人材育成にも通じる“コーチングの真髄”をもって、指導者育成も精力的に実施しています。
ユニバーシアード世界大会に監督やコーチとしてチームを3大会連続優勝に導き、プロ選手を数多く育てた経験をもとに、「人材」を「人財」へ育て上げるコーチング術や、「自己流」を「一流」へ導くメソッドで、学生たちを指導をしています。
サッカー競技・コーチ学
乾 眞寛Inui Masahiro
これまで5名の日本代表選手と100名のJリーガーを輩出(2024年4月現在)。
福岡大学サッカー部を大学日本一(総理大臣杯優勝)の常勝校に育て上げた闘将。
優れたスポーツ選手の動作を力学の視点から分析
スポーツ科学の中でも、競技者の動作を分析し力学的に研究するジャンルが「スポーツバイオメカニクス」。どうすれば速く走れるのか。どう動けばより高く跳べたり、ボールを遠くへ飛ばしたりできるのか。身体の動きを力学的に分析し、優れた運動メカニズムの解明に取り組んでいます。
例えば、より良いボールの蹴り方を探るときには、この動作に優れたサッカー選手の動作をモーションキャプチャーシステムなどの専門機器で撮影し、選手の動きをデジタル化します。そこから、蹴る動作を行う人物を撮影。それを専門ソフトで映像解析し、蹴る速度や角度、ボールにかかる力など多くの情報をデータとして抽出することができます。そのデータ分析から効率的な蹴り方を導き出すのです。
「将来、研究者になるにしても、スポーツの指導者になるにしても、スポーツバイオメカニクスを英語で語る力があれば、間違いなく活躍の場が格段に広がるでしょう。」という布目先生。研究室ではスポーツの力学解析の成果を英語で説明することを求め、その指導も行っているそうです。
スポーツバイオメカニクス
布目 寛幸Nunome Hiroyuki
スポーツバイオメカニクスを専門に研究。
身体の動きを力学的に分析し、優れた運動メカニズムの解明に取り組んでいる。
スポーツへの医学知識の活用と選手たちへの医療支援
医学的見地を絡めて「身体コンディショニング論」や「生涯スポーツ論」などの授業を行う一方、ゼミでは高齢者や障がいのある方たちも楽しめるスポーツ競技の考案や、各スポーツにおけるケガの実態調査と原因分析などに取り組んでいます。
また、体育会系クラブに所属する学生を主な対象として「アスレチックリハビリテーション(AR)」を行っています。ARとは、ケガの治療後に競技者として早期復帰できるように、医学的知識とスポーツ動作の専門知識に基づいたリハビリメニューを提供するものです。「医学部とスポーツ科学部がある福岡大学は、スポーツに医学知識を応用できる土壌があり、ARに関して最先端を行く可能性があると考えています」と重森先生。「医学的な観点からも選手たちをサポートする『スポーツクリニック』としての機能を、これから徐々に整備、強化していけたら」と意気込みます。
スポーツ医学・スポーツ脳神経外傷
重森 裕Shigemori Yutaka
各スポーツにおける医学知識の活用をはじめ、問題点とその解決法を調査・研究。
日本代表選手として世界で戦った経験から得た理論知と実践知を伝授
中学2年生より陸上競技の砲丸投を始め、日本選手権6回優勝、日本学生陸上競技対抗選手権大会2回優勝、インターハイ優勝を果たし、アジアレベルの大会で6回入賞を含め日本代表戦は12回出場している野口先生。
大学4年には日本人初となる18mを超え、日本高校記録2回、日本学生記録4回、日本記録3回(社会人)と各年代の日本記録を樹立という輝かしい成績を修めています。
日本、アジアのトップ選手として活躍した経験から得た理論と実践を学生たちへ伝えるため、福岡大学に着任。陸上競技部投擲ブロック監督を務めています。
主な指導実績として、平成27、28年に女子砲丸投で太田亜矢選手が日本陸上競技選手権、日本学生陸上競技対校選手権の2連覇を果たし、また他の種目でも多くの全国入賞者を輩出しています。
陸上競技・コーチ学
野口 安忠Noguchi Yasutada
陸上競技選手としてアジアレベルの大会で入賞するなど輝かしい競技実績をもつ。
指導者としては、女子砲丸投で日本陸上競技選手権、日本学生陸上競技対校選手権の2連覇を果たす選手を輩出。他種目でも多くの全国大会入賞者を輩出している。
競技パフォーマンスを向上させるためのメンタルマネジメント法を指導
スポーツ心理学やメンタルマネジメントの授業では、アスリートの心理的特性や競技場面での心理状態の変化などをテーマに授業を展開しています。
「実技や講義に関わらず、何事にも根拠があり、その根拠を理解させながら、スポーツ現場の実践につながることを目指しながら、指導しています」という下園先生。
ラグビーⅠ、ラグビーⅡの授業もおこなっています。2019年のラグビーワールドカップ日本開催の影響を受けてか、ラグビーの講義は人気。60人を超える受講生に、ラグビーの競技特性や楽しみ方についての授業を行っています。
また最近のラグビーの授業では女子の学生の受講生も多く、この授業から将来のラグビー日本女子代表選手が出現するかもしれません。
スポーツ心理学・スポーツ方法学・ラグビー競技
下園 博信Shimozono Hironobu
スポーツ心理学、スポーツ心理学実験実習、メンタルマネジメントの授業を担当。
福岡大学大学院でもメンタルマネジメント特論を担当。