2019年4月に国際体操連盟(FIG)の技術委員会が開かれ、体操競技部の米倉英信選手が2月の国際大会で実施した跳馬の新技の名前が「ヨネクラ」と命名されました。
跳馬において日本人の名前が付けられたのは、今回を含めて7例目だそうです。
そこで、米倉選手に直接話を聞いてみました。
Q.命名が決まった時の率直な感想を聞かせてください。
米倉:体操選手として凄く嬉しいです。今はあまり実感はないですが、(技の名前は)ずっと残るものなので時間が経つにつれて実感していくものなのかな、と思っています。
Q.技に自分の名前をつけたいと意識したのはいつ頃からですか?
米倉:昨年の7月に(ワールドカップ等の国際大会の)日本代表として選ばれてからです。
体操競技では、主要国際大会において誰もやったことのない技を成功させた場合、実施した選手の名前がその技の名前となります。
米倉選手は昨年7月に行われた全日本体操競技種目別選手権大会において跳馬で優勝し、その後の国際大会の出場権を獲得しました。この頃から、国際大会で新技を成功させて、「ヨネクラ」という名前を付けることを意識し始めたそうです。
そして、昨年の11月にドイツで行われた国際大会でこの大技に挑戦しました。しかし、実施減点が多いという指摘から、この時は「ヨネクラ」とは名付けられませんでした。
Q.昨年(2018年)の11月の国際大会においてもこの技を実施しましたが、命名されませんでした。その時はどんな気持ちでしたか。
米倉:成功はしたので名前は付くと思っていましたが、名前が付かず命名の判断基準が厳しいものなんだと感じました。(しかし)この時に名前がつかなかったこともあり、(2019年2月に行われた)メルボルンでは試合の結果と並行して(名前を付けるということが)一つの目標になりました。
Q.「ヨネクラ」を習得するきっかけなどはありましたか?
米倉:もともと跳馬が得意で「ヨネクラ」より半分ひねりが少ない「ロペス」という技を試合で使っていました。また、「ヨネクラ」の練習自体は高2の時から行っていて、その頃からの積み重ねがあったから実現できたのだと思います。あとは、“ポリンボード”という器具で1日何本もの感覚練習を継続してやってきたことが「ヨネクラ」を成功させることにつながったんだと思います。
(“ポリンボード”とは、トランポリンのように柔らかい踏切板のこと。通常の踏切版より跳ねるので、比較的楽に跳躍をすることができる。)
【メルボルンワールドカップにて (左:体操競技部男子監督の貞方浩二、右:米倉選手)】
Q.今後の意気込みを聞かせてください。
米倉:今後は社会人まで競技を続けていこうと思っています。自分の限界まで競技を続けられることに感謝しながらやっていきたいです。また、東京オリンピックの出場権を獲得できるよう学生生活最後の1年間を全力で頑張ります。
「ヨネクラ」という大技を武器に、米倉選手が世界の舞台で活躍することを期待しましょう!